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「プレステージ」の感想
まず、先に言うと、超科学が出てくるのが大きな失点。
少なくとも、観客は現実的な物語だと思って観てる(実際、ニコラ・テスラが出てくるし、名前だけならエジソンも出てくる)。まして題材は手品だ。どんなに、魔法に見えても、必ずトリックがあるという前提があるから、物語に意味がある。なのに、そのトリックが超科学で解決されてしまうならば、もう、言葉では言い表せない程に酷い(付け加えるなら、それに相対するボーデンのトリックも、また非常に単純な、ミステリーだとヴァンダインの二十則で禁止されてしまう程に安易な物だったから余計にがっかり。まあ、単純だからこそ物語に意味があるのだけれども)。

ただね、それでも私が上手いと思ったのは、ちゃんと作中に全部手掛かりが出されていること。超科学にしろ、ボーデンのトリックにしろ、ちゃんと作中に出てる(もし装置がちゃんと動いていたら帽子があそこにあるはずが無いもんね!「また、出血したの」もひっかかったんだけど、それが何を意味するかまで気付けなかったのが悔しい)。まあ、演出という点ではこの映画は確かに一頭飛び抜けていると思う。

ストーリーラインに関しては、大して考えずとも展開は読めるし、アンジャーの仕掛けた罠とか、装置を買いたがるコールドロウ卿の正体とか簡単にわかる。もっとも、先の超科学という点で「果たして、そうそうアンジャーの替え玉の酔っ払いが何人もいるものなのか?」と考えたけど。

まあ、そんな感じで、もしストーリーを文章で羅列するだけなら、おそろしく酷い映画。点数つけるなら30点もしない。ただ演出が上手い。
当時の時代背景が上手く描かれてるから、結果として超科学を使っているとしても、作品にリアリティを与えているし、話の肝である2人の確執ってのも人物描写が上手いから、こういうライバル関係を描いた作品の中では秀逸な部類に入る。ただ、ドロドロしすぎて、逆にどっちにも感情移入できないのが難点なんだが。そして、その2人の関係を通して描かれるマジックとは何か、マジシャンの心情ってのがこの映画における最大のポイントだろうね。ハリー・カッターことマイケル・ケインも良いし。
そして、トリックがわかっても、結末がわかってても、逆にわかってるからこそ、作品の中に埋め込まれたキーを見つける楽しさもあるし(まあ、公開時はそういう触れ込みだったらしいけど)。

そんなこんなで、非常に観終わった後、色々ともやもやする映画。
「なんだこの展開が読める映画は」と来て、軽くひっくり返されて、こんなの卑怯だと思いつつ、確かに手はオープンされてたわけで。上手いけど、上手いんだけど、何か後味が悪いつうか。先に述べた2人の確執がドロドロしすぎて感情移入できないってのも後味の悪さに拍車をかける。ただまあ、最低二回観て、楽しめる感じ。点数で70点(2回観れるからちょっと高めで)。


結局、ボーデンのロープは事故だったのだろうか、故意だったのだろうか、、、
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画



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